尾山製材日記

富山県と新潟県の県境の朝日町で材木屋を営みながら、みつろうクリームなども製造しております。

木工用みつろうクリームを開発して10年になります

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「人と自然に優しい」をコンセプトに使用される方の使い心地や自然素材の原材料にもこだわり作り始めました。開発から10年ほど経過する中で使用されるお客様の声からは、私が開発時に商品に込めたコンセプトを感じてられるお声をたくさんいただいており驚かされます。材木屋が手軽に木製品に愛情を注いでいただくためにメンテナンスできる商品です。使用されてこそこの商品の使い心地の良さを感じれる商品です。最近ではプロの木工家の中でも愛用者が多くて驚かされます。


この商品を開発するうえで、
なんといっても原材料へのこだわりです。
自然素材へのこだわりということですが、原材料は蜜蝋と植物性油をブレンドしたものです。蜜蝋はミツバチの巣を精製したもので、植物性油は植物の種子を圧搾した油などです。酸化臭を抑えて伸びのより塗り心地をさせるために植物性油のブレンドが製造に関する一番の工夫です。
でも、
この商品を開発する前段階で昔の人々の暮らし方について自分なりに考えてみました。
自分たちで油にしろ蝋にしろ仕入れるのではなくて
原材料の栽培をして精製していたんだということを考えると自分でもどうしてもやりたくなりました。
そこで原材料を精製を自分で作ることをしてみました。
ミツバチを3年ほど飼って蜜蝋を精製しました。
植物性油の製油にもチャレンジしました山に入り胡桃の実を取り殻をむき実をいつてすりつぶして小さじスプーンくらいの大きさを布で包みニンニクを潰す治具に入れて一滴一滴絞って半日かけて200ml位絞りました。この経験をしたことによって原材料の提供いただいている方には感謝しかありません。

生産・製造工程には手作業でしております。


この商品を開発するうえで人の使い心地を一番に考えました。
既存の蜜蝋をベースとしたワックスとの対比もあるのですがどの商品も酸化臭の強い商品が多く、
自然塗料の大半は乾性油をベースにしているものが多いのでどうしても酸化臭が強くワックス自体の塗りにくさを感じものが多いのです。

木製品のメンテナンス塗料として人の使い心地というと臭いと塗り易さだと思い自然素材の原材料にこだわって酸化臭を抑える工夫と伸びのより塗り心地の原材料の配合を模索してました。
使う人のためということを一番に考えております。
初めて使用される方でも布さえあれば簡単に塗れて失敗することがない商品です。
最近ではプロの木工家の間でも使用感が良いということで評判となりメンテナンス用としてご愛用いただいております。
販売を開始してから7年経過してようやくこの商品のファンの多さを感じられております。
この商品な素晴らしい商品を作ってくれてありがとうと感謝のお声もいただいたこともあります。
うちの木製品をこの商品で塗ることで商品の品格が数段上がるとも言われました。
私自身この商品によりいろんなことを教えていただきました。

流通のイロハもわからずに商品化をして販路拡大なんか普通はできないのですが、
この商品はどこからともなく多くの販路を引き寄せてくれました。今では自慢の子供のような商品です。

なにをいっても、
この商品を支えていただいているのは商品の愛用者だと思っています。
この商品よりもさらに良い商品が出た時のために工夫を続けないといけないのですが、
そのまでの工夫なんてなかなか出てくるものでないです。
なので、
愚直に愛用者の求める声を聴き続けて自分の感性を磨き続け商品を愛していただくためのヒントを探し続けるしかないのかと思います。

私は材木屋です。
原木を見て製材をします。
原木を仕入れるときに木の小口からいろんなことを想像します。
そして、
その仕入れた原木に鋸を入れるときにどんな厚みでどこから入れるかを考える時が想像から現実(結果)になる瞬間で材木屋冥利を一番に感じる瞬間でもあります。

愛用者の声から本質の声を探す作業は想像であり、
商品について考えてこうどうすることが現実(結果)に照らし合わせる作業です。
その作業が製材することと似ているので商品を作る面白い瞬間であり恐ろしい瞬間でもあります。


こんな長文になりここまでお付き合いいただい方には何もありませんが、
ここまで書いてよいのかと思うくらい私の愛すべき木工用みつろうクリームについて書きました。