尾山製材日記

富山県と新潟県の県境の朝日町で材木屋を営みながら、みつろうクリームなども製造しております。

蜜蝋ワックスの樹種、条件による浸透性の違い

先日、樹種による柿渋の発色(http://blogs.yahoo.co.jp/gfxdj417/41883295.html ) の違いをアップしましたが、

それらで使った板を使いまして、

蜜蝋ワックスの樹種、条件による浸透性の違いを実験しました。



イメージ 1

左から、米ヒバ2枚(左側は無塗装、右側が柿渋1回塗り)、杉のシラタ2枚(左側は無塗装、右側が柿渋1回塗り)、杉の赤身2枚(左側は無塗装、右側が柿渋1回塗り)、ピーラ2枚(左側は無塗装、右側が柿渋1回塗り)
米ヒバや杉のシラタなどの白ぽい色の樹種ですと柿渋1回塗りでも色の違いがわかりますが、
杉の赤身やピーラなどの赤茶ぽい色の樹種ですとあまり色の違いがわかりません。



イメージ 2

米ヒバの板です。
蜜蝋ワックスを指で均等に塗りました。時間の経過とともに蜜蝋ワックスが浸透していく様子を確認します。

イメージ 3

米ヒバ2枚(左側が無塗装、右側が柿渋一回塗り)です。
蜜蝋ワックスを指で均等に塗りました。


イメージ 4

杉のシラタ2枚(左側は無塗装、右側が柿渋1回塗り)です。
蜜蝋ワックスを指で均等に塗りました。


イメージ 5

杉の赤身2枚(左側は無塗装、右側が柿渋1回塗り)です。
蜜蝋ワックスを指で均等に塗りました。


イメージ 6

ピーラ2枚(左側は無塗装、右側が柿渋1回塗り)です。
蜜蝋ワックスを指で均等に塗りました。





1時間30分経過





イメージ 7

米ヒバ2枚(左側が無塗装、右側が柿渋一回塗り)です。
無塗装のほうが柿渋塗りと比べてよく蜜蝋ワックスが浸透していました。



イメージ 8

杉のシラタ2枚(左側は無塗装、右側が柿渋1回塗り)です。
無塗装も柿渋塗りもあまり浸透していない様子でした。

イメージ 9

杉の赤身2枚(左側は無塗装、右側が柿渋1回塗り)です。
柿渋塗りよりも無塗装のほうが周りへ浸透した様子が確認できました。


イメージ 10

ピーラ2枚(左側は無塗装、右側が柿渋1回塗り)です。
柿渋塗りよりも無塗装のほうが周りへ浸透した様子が確認できました。



実際に目で見てても何の違いも無いような気がしたのですが、
写真で比べると写真の取り方によるのですが、
違いが確認できました。

予想では、杉のシラタが一番明確な違いが出ると思っていたのですが、
写真の取り方が悪かったので一番違いがわからなかったです。




結果、無塗装のものに塗ると蜜蝋ワックスはかなり浸透しますが、
塗装後や塗装品に塗るのではあまり浸透しないようです。
樹種による浸透性はピーラが一番浸透してないようですね。
松系の木は木自体に脂分が多いのであまり浸透しないのではないでしょうか。