尾山製材日記

富山県と新潟県の県境の朝日町で材木屋を営みながら、みつろうクリームなども製造しております。

柿渋の使用方法【木工用】

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昨日、紹介した柿渋の使用方法を写真とともにアップしました。



柿渋の使用方法【木工製品の場合】

1番目の写真:木地調整をする。
塗った時の毛羽立ちが少ないので、
研磨紙使用の場合は細目を用い、
カスなどが残らないようによくふき取る。
木の汚れやニス等の他の仕上げ材が付着している場合(蜜蝋ワックスを塗った後に柿渋を重ね塗るうとしてもワックスの油膜にはじかれます。)には十分に落としてから塗って下さい。
(写真は杉材で超仕上げをかけてあります。杉材の右側は蜜蝋ワックスが塗ってあります。)

2番目の写真:柿渋を木目に沿って一定方向に刷毛で塗って下さい。
刷毛は水性塗料用を使用して、刷毛は使用後直ぐ十分水洗いしてください。
又、布で刷り込むようにして塗って頂くと多少光沢感があり効果が増すようです。
(写真では、刷毛で塗りました。)

3番目の写真:余分な柿渋を布でふき取る。
柿渋を塗り終わると表面に気泡が出来たりムラがあったりしますので、
その様な場合には布で軽くふき取って下さい。
(写真では、あまり色がついていないように見えますが、
実物も同じでして一度塗りではすこし色がつくくらいです。)
その後は自然乾燥させて下さい。直射日光に当たるとより早く発色します。


4.乾燥すると木地が毛羽立つので400番程度の研磨紙を軽くかけて表面を滑らかにしてください。
(写真はとってないです。すみません。)

回数を重ねることに色は濃くなりますし、時間と共にゆっくりと発色しますので、連続して塗るよりも暫く時間をおいてから次回塗るようにして下さい。一般的には2~3回塗りをお勧めします。



木に塗ることにより表面にカキタンニンの硬い皮膜が出来き木の表面を保護します。柿渋は、昔から木材、和紙、布などの補強に使われてきました。柿渋を重ね塗りすることで防虫、防腐、耐水性を高めます。


古くから柿渋には、べんがら、松煙などの天然顔料を混ぜて着色して使用されてきました。
顔料も鉱物系など天然のものでないと離反して使用できません。
柿渋は天然素材でないと受け付けない性格があります。


柿渋を塗った後に蜜蝋ワックスを塗るとお互いの良さが合わさります。
しかし、蜜蝋ワックスを塗った後に柿渋を重ね塗るうとしてもワックスの油膜にはじかれます。
1番目の写真のところでも紹介したように、
木の汚れやニス等の他の仕上げ材が付着している場合には十分に落としてから塗って下さい。

後日、柿渋の重ね塗りした模様をアップします。乞うご期待ください。