尾山製材日記

富山県と新潟県の県境の朝日町で材木屋を営みながら、みつろうクリームなども製造しております。

渋墨についての質問

みつろうクリームと相性の良い塗料として柿渋があります。
 
柿渋をベースに松煙・醸造アルコールなどを最適混合した塗料が渋墨です。
 化学合成材料・有機溶剤は全く使用していません。安心安全な天然塗料です。
 
尾山製材のHPにて柿渋・渋墨も販売しております。
詳しくはこちら⇒ http://mitsurocream.com/
 
 
 
お客様から渋墨について質問がありました。
『渋墨はこすると色が落ちると言う事ですがみつろうクリームや柿渋を上から塗ると
コーティングされて色が落ちなくなるのではないか?』という内容でした。
そこで写真にて実験した様子を説明いたします。
 
 
こちらが赤松に渋墨を塗ったものです。
イメージ 1
右が渋墨を塗って目の細かいペーパで磨いて木工用みつろうクリームを塗布した板です。
左が渋墨を塗った板です。
右の方がペーパーで磨いた分色が薄いです。
 

イメージ 2
右の板(渋墨を塗って目の細かいペーパで磨いて木工用みつろうクリームを塗布した板)を
指でこすると指が汚れると程の色落ちは無いのですが、
白い布で強くこするとこのように感じの色が付着します。
 
 

イメージ 3
左の板(渋墨を塗った板)を
指でこすると指が汚れると程の色落ちは無いのですが、
白い布で強くこすると右の板よりも強く色が付着します。
布の左が左の板をこすった汚れで、布の右が右の板をこすった汚れです。
 
 
ペーパーで表面を磨いてみつろうクリームを塗ると
色の落ちは弱くなりました。
みつろうクリームよりもペーパーで表面を磨くことにより、
渋墨の粒子状の松煙(黒色成分)が落ちることにより
色落ちが弱くなったと思われます。

イメージ 4
左の板(渋墨を塗った板)の上に柿渋を塗ります。

イメージ 5
写真の右半分に柿渋を塗りました。

イメージ 6
一日乾かして、
白い布で強くこすってみました。
布の左が渋墨を塗っただけのもの、
布の右が渋墨を塗ってさらに柿渋を塗ったものです。
若干ですが柿渋を塗ったものの方が色の付着は薄れております。
しかし、
ペーパーで表面を磨いてみつろうクリームで仕上げたもののよりも
色の付着は強いですね。
 
 
こんな感じの結果となりました。
皆さん、みつろうクリーム・柿渋・渋墨の塗り方などで
お困りの方はなんなりとご質問ください。
なんなりとお答えいたします^^