尾山製材日記

富山県と新潟県の県境の朝日町で材木屋を営みながら、みつろうクリームなども製造しております。

私の木工用蜜蝋ワックスへのこだわり

昨年より
私は養蜂やクルミ油の製油をしており、
100%自家製の蜜蝋ワックスを作ることを目標としておりますが、とっても手間がかかって生産性が悪くとっても販売するには高値となります。

そこで、
自然素材100%のもので、
体に安全で木材の持つ肌触りや木質を生かした塗料で木材の質感を味わって頂きたいのです。


ブレンド油(菜種油、亜麻仁油椿油、ひば油)と蜜蝋の選択理由は、

昔は、建築・工芸にも使われる油は主に、桐油、椿油亜麻仁油、荏油、菜種油、くるみ油等などがありました。現在ではほとんど使われておりません。

植物性の油で塗料に使われる油は、ヨー素価の大きさにより乾性油(130以上)、不乾性油(100~130)、半乾性油(100以下)の三つに分類されます。
ヨー素価が大きいと酸化しやすく、酸素と二重結合して樹脂化しやすい。

乾性油:木に浸透し、樹脂化することで木の補強、防水、対汚染性、美化をねらう
半乾性油:乾性油に準じた目的で使用し、通気性を保つ塗膜ができる
不乾性油:硬化しないの油

亜麻仁油は乾性油で表面に膜を貼る大変撥水性に優れています。
菜種油は半乾性油で大変防腐、防虫に優れています。
椿油は不乾性油で表面に幕を張らず人間の肌から出る油に最も近く浸透性の油。 
ひば油は防カビ、防虫、アトピー肌などに効果があり、アレルギーの原因となるダニ、カビ、害虫などの忌避作用があります。

室内の建築に使われる場合、シックハウスアトピーなどで匂いは大きな要因になると思います。
それぞれの油ごとに匂いがありますが、油を酸化させ樹脂化をさせるため油の酸化した臭いがあります。荏油、亜麻仁油、桐油の匂いが良く残っております。
あくまで自然の香りですので、ペイントのような刺激臭ではありません。時間がたてば匂いは抜けていきます。
その臭いを感じさせないためにひば油で香りをつけております。
それと、ひば油には防カビ、防虫、アトピー肌などに効果があり、アレルギーの原因となるダニ、カビ、害虫などの忌避作用があります。



市販品で多いのが 荏油(エゴマ油です)でありますが、
私は木材の持つ肌触りや木質を大事にしながら木の表面や内部に浸透して樹脂化することにより撥水、防水、防虫、防カビの効果が生まれ、そして、材木の反り、割れ、痩せがおこり難くなることを考えております。

乾性油、半乾性油、不乾性油の3種類のブレンド油をつかうことにより木の内部に浸透し時間をかけて酸素と結合し樹脂化する油と硬化しない油を入れることにより木の痩せや反りを抑えることを狙いとしております。
ブレンド油だけでは樹脂化するのに時間がかかるために蜜蝋で薄い塗膜を形成させております。
それと、他油に比べ変色が少なく、木への浸透が良く、香りがよい。使った後、手がつるつるになります。



これが私の蜜蝋ワックスへのこだわりです^^