尾山製材日記

富山県と新潟県の県境の朝日町で材木屋を営みながら、みつろうクリームなども製造しております。

木について語ろう【欅】

最近、材木屋ゆえに『木っていいよね!』ってよく言われます。
それって、よく考えると『木であれば何でもいいんだよね!』って聞こえる。
 
この人と木の距離感が材木屋への将来の不安を感じる。
 
いつの時代からか、人々は大黒柱は欅を使いたいや和室は秋田杉にしたいなどの要望が無くなった。家づくりに興味が無くなったのではなくて、木について知る機会が無くなったからだと思う。
 
一昔前までは、家の建舞は親戚一同と大工さんで行われていた。それにより現場で大工さんや親戚のおじちゃんからどんな木が土台・柱・桁に適しているなどの適材適所を現場で知る機会があった。現代ではそういった木を知る機会がほとんど無くなった。
 
創業65年を超え建具材・建築材を取り扱ってきた尾山製材が木について語らない以上、人々が木を知る機会など無いのではないだろうかと思っている。
こんな思いで最近、木の情報をなるべく流すようにしてきた。
 
 
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↑欅を製材している様子です。
 
↓欅を製材している動画です。
 
欅はニレ科ケヤキ属の落葉高木。
日本では本州、四国、九州に分布し、暖地では丘陵部から山地、寒冷地では平地まで自生する。
芯材は黄褐色あるいは赤褐色で、辺材は淡黄褐色です。年輪がはっきりしており和室にはとってもしっくりくる重硬な木目が美しく、また磨くと著しい光沢を生じる。
欅はとても乾燥しにくい木ゆえに何年寝かせても反ったり曲がったりする。時には、家を動かすほど反る事があるので大工泣かせの木材である。また、中心部の赤身と言われる部分が主に使われ、周囲の白太は捨てられるので、よほど太い原木でないと立派な柱は取れない。
 
またブログで『欅はなぜ乾かないか?』という記事も書きました。よかったら見てください。