尾山製材日記

富山県と新潟県の県境の朝日町で材木屋を営みながら、みつろうクリームなども製造しております。

蛭谷和紙(ビルダンワシ)

先日、何をしているでしょう?と書きました。

答えは、
蛭谷和紙を柿渋で染めているところでした。

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これが蛭谷和紙です。


我が町朝日町が誇る文化として
蛭谷和紙があります。



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蛭谷和紙を柿渋で染めました。
この和紙を使って襖の修復をしていただいております。


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先日、蛭谷和紙を買いに行ったときに
蛭谷和紙の歴史や現状を教えていただきました。

[htmlhttp://shop.wisewise.com/shopbrand/042/P/ 蛭谷和紙のHP]
400年ほどの歴史があり全盛期では100件以上の家が和紙をすいていましたが、
現在では1件となっております。

しかも、
原材料を里山に入って楮(コウゾ:和紙の原材料)を自分で取りに行って
それをほぼ100%手作業で和紙をすいております。
100%地域資源を活用して製品にしております。
現在、日本中和紙をすいている産地は200件以上ありますが、
ほとんどの産地は楮などの原材料を輸入に頼っております。
日本中を探してもそうして商品を作っているところは数件だそうです。


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障子に蛭谷和紙を張ってありました。


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和紙の上に印刷してある紙がおいてあります。


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その印刷してある紙の上に和紙を1枚重ねました。
下の紙が読み取れるくらい薄くすいてある和紙です。
(携帯の写真ですみません。実際は下の紙が十分読めました。)

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そして、
和紙を2枚重ねました。
まだ透けて見えます。(携帯の写真ですみません。実際は下の紙が十分読めました。)


このくらいの薄い和紙をすけるのは
日本で2人しかいないそうで、
この和紙をすいた人は蛭谷和紙の方です。
そして、もう一人の方は人間国宝の方です。
ですから、
蛭谷和紙の方も人間国宝になってもおかしくないくらいの技術を持っているという事です。


現在、
海外からも非常に注目されておりますが、
しかし、
蛭谷和紙の現状はとっても厳しいものであり、
現在の売り上げが月数万円だそうです。


生活するためにバイトをしたりしております。
道具を修復したくてもその費用を捻出することもできなくて、
このままでは数年後には和紙をすけなくなる状況にあるそうです。


私は彼の話を聞き非常に心を打たれました。
しかし、
私自身では微弱な支援しかすることしかできないものであり、
このブログで現在の伝統工芸品の現状を書かせていただきました。
蛭谷和紙だけではなくて現在、
このような伝統工芸品が沢山あると思います。

廃れていく理由も多々あるとは思いますが、
どうにかしてどうにかして生き残ってもらいたい工芸品であります。
蛭谷和紙の今後のために皆様のいろんな意見をお聞かせください。
よろしくお願いいたします。