尾山製材日記

富山県と新潟県の県境の朝日町で材木屋を営みながら、みつろうクリームなども製造しております。

柿渋の意外な使われ方

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本日、富山市に行く予定がありまして
予定を済ませる前に時間があったので
柿渋の製造元に行って柿渋を購入してきました。

柿渋製造元の社長にお会いできたので20分くらいお話してきました。
その社長は午前中に金沢に行って帰ってきたそうで、
何しに行ってたのかと聞いたところ金箔の製造している会社に定期的に柿渋を販売しているそうです。

金箔を伸ばすときに柿渋を使うそうで驚きました。

どうして金箔を作るのに柿渋が必要かを簡単に説明しますと、
金を伸ばす時に紙と紙にはさんでそれを何重に重ね合わせてたたいて伸ばすそうです。
その紙に柿渋と何かを混ぜて塗るそうだそうです。

ここの柿渋製造元の一番の販売先が
その金沢の金箔を作っている会社だそうです。


一昔前は漁師の網に耐久性を高めるために柿渋を使っており、
県内の各漁協にオート三輪を乗って柿渋を卸しに行っていたそうです。
しかし、
現在では網も石油系物質になっているために柿渋を使う必要が無くなったそうです。


でも、
伝統産業である金箔を作る作業では柿渋じゃ無いと駄目なんでしょうね。



蜜蝋ワックスを作ったりしてて
最近良く考えるのですが、
最近のエコブームで環境に優しい製品として蜜蝋ワックスのような自然塗料がもちはやされております。
生活様式が今までと違う流れ(環境を考える流れ)になってきたのだろうと思うのですが、
便利な生活と環境に優しい生活は間逆ですよね。
エコな生活を目指すとなると一昔前の生活様式(自給自足的な生活)に近づけないといけないですよね。
現在の生活様式が便利で快適な生活ですからそれを入れ替えるとなるとかなりの苦労がありますよね。


そうなると、
やはり現在の生活様式が主流なんでしょうね。


その中で、
蜜蝋ワックスが現在の生活様式の中での存在意義がないと
この先、柿渋のようになってしまうだろうとなぁと考えるのです。


蜜蝋ワックスをどうして生活様式の中に組み入れるかまで、
しっかりとした信念を持って販売活動して行かないといけないなぁと
本日改めて痛感しました。