尾山製材日記

富山県と新潟県の県境の朝日町で材木屋を営みながら、みつろうクリームなども製造しております。

栃について

イメージ 1

栃はトチノキトチノキ属の落葉広葉樹です。
日本では東日本を中心に分布、中でも東北地方に多くみられます。水気を好み、適度に湿気のある肥沃な土壌で育ちます。
木肌は心材と辺材の色の差はほとんどなく、赤っぽい黄白色~淡黄褐色です。材面に絹の様な光沢(チヂミ杢)が特徴で緻密で表面の仕上がりが美しいことで知られます。
 
巨木になるものが多いので、昔はくり抜いてを作るのにもよく使われたが、最近は乱伐が原因で産出量が減り、主にテーブルなどに使用される。
 
種子は栃の実として渋抜きして食用になる。同様に渋抜きして食用になるコナラミズナラなどの果実(ドングリ)よりも長期間流水に浸す、大量の灰汁で煮るなど高度な技術が必要で手間がかかるが、かつては米がほとんど取れない山村ではヒエやドングリと共に主食の大きな一角を成し、常食しない地域でも飢饉の際の食料(飢救作物)として重宝された。そのために森林の伐採の時にもトチノキは切り残す慣習を持つ地域もあった。また、各地に残る栃谷や栃ノ谷などの地名も、食用植物として重視されていたことの証拠と言えよう。現在では、渋抜きしたものをもち米と共についた栃餅(とちもち)などとしてあちこちの土産物になっている。保存もきくので、天井裏に備蓄しておく民家もあった。積雪量が多く、稲作が難しい中部地方の山岳地帯では、盛んにトチの実の採取、保存が行われていた。
 
花はミツバチが好んで吸蜜に訪れ、養蜂の蜜源植物としても重要であったが、拡大造林政策などによって低山帯が一面針葉樹の人工林と化していき、トチノキなどが多い森林は減少し日本の養蜂に大きな打撃を与えた。
 
 
尾山製材: http://mitsurocream.com/