尾山製材日記

富山県と新潟県の県境の朝日町で材木屋を営みながら、みつろうクリームなども製造しております。

木材の乾燥について

木材の欠点として、「使用中に狂ったり、割れたりする」のは、乾燥が不十分なために収縮が起こり、また収縮率が方向によって違うことにより生じます。
   
木材は、乾燥することでその特性が更に強化されます。①寸法や形の変化が少なくなる②断熱性が高くなる③電気抵抗が増大する④腐らず、長持ちするほか、⑤後期の短縮につながる⑥軽くなり、輸送コストが安くなり、取り扱いも楽になります。

木材を乾燥方法について、
木を乾かすのにはとても時間がかかります。

木材の乾燥方法としては大きく分けて天然乾燥と人工乾燥があります。

天然乾燥では、杉の場合ですが厚み36ミリで含水率が20%くらいになるまでに6~12か月くらいかかります。(天候や初期含水率の状態によってかなりのばらつきがあります。)そして含水率15%程度が限界ですが、最近の冷暖房の整った住環境では木材の含水率が10%以下になることも多く、このような場所で使用する木材・木製品はそれ以下の含水率まで乾燥させておく必要があることや、乾燥に要する日数を大幅に短縮できるため、人工乾燥が主体となっています。



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天然乾燥の模様です。
桟積みして天日で乾かします。
厚みが120ミリ有ますので6カ月くらいから少し乾きが変わってきますが、
含水率で40~50%くらいでなかなか乾きません。





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当初の蒸気乾燥機です。
蒸気によって湿球温度(湿度)と乾球温度(気温)の差を使って木材を乾燥させる機械。
木材の欠点として、「使用中に狂ったり、割れたりする」のは、乾燥が不十分なために収縮が起こり、また収縮率が方向によって違うことにより生じます。木材の欠点を少なくするために木材・木製品の含水率15%以下まで乾燥させておく必要があり、乾燥に要する日数を大幅に短縮できるため、蒸気乾燥機を使って乾燥させます。


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当社の人工乾燥機で杉の板材(厚み20ミリ)を乾燥させました。
含水率100%以上⇒10%まで乾かすのに1週間くらい乾燥させました。
120ミリの柱・桁材ですと20%前後にするのに3~4週間くらいかかります。


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ついでにこの杉の丸太の端材を乾燥機入れました。
右が乾燥機に入れた杉材。
左が乾燥機に入れてない杉材。

右と左の材で色が右のほうが黒ずんでるとのです。
乾燥機に木を入れると木の色合いや艶(油)が損なわれるのです。

現在の家作りでは工期の短期化であり
乾燥材が主流であります。施主さんも木の艶や質感なども求められる方よりも
安価で気密の取れた住宅を求められる傾向があります。
材木屋としては残念な限りですが、時代の流れとしてそうなってきている以上に
そういった方にも対応しないといけ無いんですよね。


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乾燥材の艶出しに蜜蝋ワックス【木工用みつろうクリーム】です。
当社にて好評発売中^^
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蜜蝋ワックス【木工用みつろうクリーム】のビフォアー・アフターです。

樹種によっても色合いが違いますが、
自然な艶ですよ^^