尾山製材日記

富山県と新潟県の県境の朝日町で材木屋を営みながら、みつろうクリームなども製造しております。

虫喰い楢iPhone4S/4ケースに山への思いを込めました。

FBを通じて知り合った松葉製作所さんとの出会いで
虫喰い楢iPhone4S/4ケースが近日完成予定です。
今までの経緯をまとめてみました。
 
 
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全国的に楢の立ち枯れが問題視されてます。
5年前ほどからカシノナガキクイムシなどによる楢材の立ち枯れ被害が富山県でも被害確認さ
れ、年々被害が拡大しています。今では、森林が夏場に真っ赤に枯損する楢枯れが目立って
います。そんな虫喰い楢材を活用して商品作りをして、たくさんの人々に山の現状について
興味を持って頂きたいです。モノづくりのまち広島県府中市にある「松葉製作所」の木材の
加工技術力と「尾山製材」の山への思いにより虫喰い楢材でのihone4/4ケースが完成し
ました。もちろん最終仕上げには弊社の木工用みつろうクリームを使用しています。
 
 
 
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モノづくりのまち広島県府中市にある「松葉製作所」は、木材の精密加工を得意とする鋳造用
木型を作る会社で、創業70年を超え高い技術を最大限に活かし「木製iPhone4S/4ケース」を
作っています。
富山県下新川郡朝日町で建具材・建築材の製材している尾山製材㈱は、創業65年で国内外の
木材を知る製材所です。虫喰い楢iPhone4S/4ケースを通じて山の現状や木について知っていた
だきたいのです。
 
 
 
【加 工】
美しい木目を最大限に活かすため、木製ケースは無垢の一枚板から削り出しで作成しています。
持った時に片手で操作できるよう、最薄部で約2mmという木材として強度の保てるギリギリの
厚みに設計にしました。切削工程は0.01mm単位で微調整した機械で加工します。パチッと
はまる抜群のフィット感は高精度を要求される木型製作所ならではのもので、木材とは思えな
いレベルで仕上がっています。しかし、仕上げは職人が一つ一つ丁寧に手作業で調整しなけれ
ば、このなめらかな手触り感は得られません。こうして完成した木製iPhone4S/4ケース、実は
すべて20年以上前の機械のみで作られています。木・伝統・技術・手作業といったアナログ
なケースが、iPhoneという最先端デジタル機器を彩ります。
 
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【質 感】
このケースの最大の特徴は、木製だということです。
木は暖かいというイメージがありますが、それは触った時に指先の熱を奪わないからなのです。
ほかの物質に比べ、木は熱伝導率が低いのです。その質感を損なわないように、塗装はオイル
フィニッシュ仕上げにしています。木材表面に塗装膜を作る化学塗料と違い、オイルを無垢板に
染み込ませ内部から表面を保護することにより、木のぬくもりが失われず、使い込むほど味わい
が増していきます。更に最終仕上げで、より自然に近い「木工用みつろうクリーム」を塗布して
ます。肌触りがしっとり滑らかになり更に触り心地がよくなります。その反面、無垢板は気候や
周りの環境によって必ず反ったり変形したりします。しかし、それは木が呼吸し生きている証拠
なのです。そういったことも含めて木の味わいだと思っています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
【デザイン】
デザインは、ボディー中央部が一番薄く、厚みのある両端に向けて緩やかな美しい曲線で結ばれ
ています。この曲線により、手に馴染みやすく木のぬくもりが一層伝わるようになっています。
また、両端が厚くなっているおかげで、一番壊れやすい角の強度を増しています。
機能と美しさを兼ね備えたデザインです。
 
 
尾山製材: http://mitsurocream.com/